大会長挨拶


瀬戸山 晃一

日本臨床倫理学会第14回年次大会 大会長
京都府立医科大学大学院医学研究科医学生命倫理学 主任教授



 第14回年次大会の大会長を拝命しています京都府立医科大学の瀬戸山でございます。3,000名を超える会員数をほこる学会の大会長を務めることを大変光栄に存じますとともに、その重責を果たすべく準備を進めております。
 会場は川崎理事のご厚意により、今年度も順天堂大学本郷・お茶の水キャンパスにおいて2027年3月20日(土)と21日(日)を会期として、「命(いのち)とケア実践を支える臨床倫理~意思決定支援から関係性の臨床倫理へ」を統一テーマとして開催いたします。基調講演には、社会学者の上野千鶴子氏(東京大学名誉教授/特定非営利活動法人ウィメンズアクションネットワーク前理事長・顧問理事)をお招きします。
 2012年に臨床倫理学会が設立され、14年が経つ今、学会員数は大幅に増え、学会の黎明期から成熟期へと移行しています。多くの医療機関で臨床倫理のコンサルテーションが広がり、臨床倫理が実践され、その研究や教育に携わる医療従事者が増えてきている現在、何のための誰のための臨床倫理なのかを年次大会において今一度立ち止まって考える機会としたいと考えております。
 臨床倫理は、患者のためであり、ご家族のためでもあり、医療従事者のためでもなければならないと思っております。患者本人へのケアだけではなく、患者を支える家族へのケア、ケアを提供する医療従事者や介護士などのへのケアなくしては、質の高い臨床倫理の実践は維持できないように思われます。また、現在医療へのAI導入、医療DXが急速に進められようとしています。臨床倫理の実践においても医療DXは避けて通れない現実であります。そのような医療の現状も踏まえ、今年度の大会では、医療AIなどの最新の動向から、オーソドックスなテーマも含め、多様なシンポジウムや教育講演などのプログラムを企画しております。また、優秀演題発表賞を再導入する予定で準備をしています。
 昨年度の第13回大会には、非会員も含め約1,300名に参加いただき盛況のうちに大会が終了しました。学会員数が急増してきており、今年は3,000名を超え、2026年7月1日現在、施設会員も含めて3,223名(施設会員119名、正会員3,104名)になっています。それに応じて大会参加者もさらに増えることが予想されます。そのため大会実行委員会では、会場の混雑(立ち見)を緩和するためにサテライト会場を設ける予定です。また、今回よりキャリアーなどの大きな荷物を預けるクロークを設置する予定です。さらには会員以外の当日参加者にもプロフラム予稿集の配布を予定しております。
 医師や看護師などの医療従事者の方、研究者の方、医療系大学で教鞭をとられている方、介護福祉関係の方々、様々な現場で日々奮闘され臨床倫理の問題に向き合っておられる学際的な会員諸氏のニーズに応えるべく、学際性豊かな大会にしたいと考えています。懇親会も企画しておりますので、新しい仲間との出会いやネットワーク形成の機会としていただきたく思います。
 多くの会員諸氏の発表と知的交流の機会となり、参加して本当に良かったと心から感じて頂けるような年次大会に今年度もできるよう、実行委員会一同、誠意準備を進めておりますので、多くの皆様のご参加を心からお待ちしております。